2026年2月9日(月)、本校の19回生(中学1年生)を対象に、ワークショップデザイナーである藤木正史氏を招き、寄付・社会貢献をテーマにしたカードゲーム「fromMe」を活用したワークショップを実施しました。

本校の教育の軸である「ソーシャルアクション(SA)」への理解を深めるステップとして、単なる知識としての「お金」ではなく、寄付・投資・消費・貯蓄という選択が、自分自身の幸せ(ウェルビーイング)と、社会・経済・環境にどのような変化をもたらすかを疑似体験し、「自分の行動が社会を変える力になる」という実感を持つことで、春休み以降の具体的なアクションへと繋げることが目的でした。
また、この日のサブファシリテーターは本校の卒業生が務め、自分自身の前期課程の時のSAについて話をしてもらいました。
■ 「寄付」は未来への投資――fromMeでの学び
ワークショップの柱となったのは、日本ファンドレイジング協会が提供するカードゲーム「fromMe」です。
生徒たちは「家族」「社交」「資産」「刺激」など多様なアイデンティティがわりふられ、その特性に従って行動し、それぞれ決められたゴールを目指すことになりました。与えられたアクションカードを実行し、その結果として渡されるリザルトカードによって、ゴールに必要な「お金」や「WP(ウェルビーングポイント」を獲得していきます。また、それらの行動が、社会・経済・環境の各メーターを動かすことにもなり、自分たちの行動が社会全体のウェルビーイングにつながることを次第に気づいていきました。

生徒のふりかえりより:
fromMeでは、グループの人と話し合いながらアイデンティティにあうアクションを考えたり、ほかのアイデンティティのグループにその人達にあうアクションカードを共有したりして、協力しながらゴールを達成できました。また、ウェルビーイングポイントがゴールの分たまったあとは、他のグループをサポートするために、ウェルビーイングポイントがたまらなくてもアクションを行いました。これは、すごく現実に似ていて、その人にあったアクションをすることが大事だけど、より良い社会にするためにはそうじゃないアクションにもトライしてみることも大事なのかもしれないと思いました!
今回は、道徳の項目にも関連させて実施しましたが、単なる知識としての道徳ではなく、葛藤を伴うシミュレーションを通じて、「公共の精神・社会参画」の本質を感じ、自身が「より良く生きる」ことについて考える時間になりました。
■ 先輩から後輩へ。受け継がれる「SA(ソーシャル・アクション)」のバトン
後半では、ISSで19回生と同じ経験をしてきた卒業生から、前期課程の時に行った活動やその時の感情についてお話を伺いました。本校におけるSA活動は、ボランティアや寄付にとどまらず、「社会を一歩前向きに進めるすべての活動」を指します。先輩たちから「みんなにはお金がなくても、時間はあるよ」「一人でやならなくて、友達と一緒でいいんだよ」「小さなことだけれど、塵も積もれば山となる、と思ってやってきた」など、19回生の心のハードルを下げる語りかけがあり、ワークシートにそのフレーズを書き込んでいる姿がありました。先輩たちの等身大の言葉に、19回生は「特別なことでなく、自分たちの『関心』からスタートしていいんだ」と、大きな勇気をもらったようです。

生徒のふりかえりより:
先輩のお話を聞いて印象に残ったことについてなんです。最初SAとして先輩がやったことはコンビニで買ったもののお釣りを寄付したりしていたそうなんですが、だんだん友達と様々なSAをしたりしていて「すごいな、」と思いました。とても印象に残ったことはその先輩が「やりたいことがあればやってみる、一人じゃなくてもいい」を言ったことです。私たちの年齢は、やりたいことがたくさんあっても怖いからやれない気持ちがそれぞれあると思います。だから、先輩の話を聞いて、「一人だけじゃなくても良いから、ただやってみること」を理解し、これからの経験に活かしたいと思いました。
■ 19回生が描く、新しい社会へのアクション
ワークショップ後のアンケートでは、「SA活動をやってみたい!」という意欲が高まっていることがわかりました。生徒たちが考えた「未来のSA」には、ISS生らしい独創的なアイデアが溢れています。
- 「地域のパン屋さんと協力して、学校でフードロス削減の購買を運営したい」
- 「殺処分される犬を救うため、学校で保護犬を育てる仕組みを作れないか」
- 「自分の得意なピアノで、老人ホームの方々に笑顔を届けたい」
これらのアイデアは、今後のSA活動や「探究」を通じて、時には失敗をしながら実現を目指すものも出てくるかもしれません。

19回生のこれからに期待です!
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