沖縄ワークキャンプ(11/12)1日目【3学年】【平和宣言】

沖縄ワークキャンプが始まりました。1日目はひめゆり平和祈念資料館と沖縄平和祈念資料館を見学しました。平和の礎で千羽鶴の寄贈を行い、生徒代表による平和宣言を行いました。過去の戦争の歴史と現在の国際情勢を見渡し、生徒たちなりによく考え抜いた想いを言葉にして伝えることができました。

【平和宣言】
私たちはなぜ「平和」について学ぶのでしょう。今ここにいるほとんどの⼈は「平和」な世の中を⽣きていると思っていることでしょう。
「平和」のスピーチをするとなって初めて「平和」について考えた時、「平和」とはなんなのかわからず、私も含め、多くの中学⽣も何も知らないのではないか、そう思ってしまいました。しかし、沖縄に学びに来るにあたって多くあった戦争や沖縄について学ぶ機会の中で⾃らの価値観が変わりました。私は今まで、戦争についてなぜ戦争をしてしまうのか、話し合いで解決を⽬指せば良いものをなぜ武⼒を使って解決しようとするのか、理解ができませんでした。戦争は絶対にしてはいけないという揺るぎない事実の上で、過去の戦争の背景や経緯を知ると、価値観や⼤切にしたいものが異なる組織がぶつかっているということに気づきました。
1945 年の春、ここ沖縄で⽇本で唯⼀の地上戦が⾏われました。住⺠が戦場に⽴ったり、言葉遣いが本⼟と異なるという理由で⽇本兵に殺されてしまったりと、数えきれないほどの犠牲が⽣まれました。戦争を体験していない私が「戦争について理解した」と簡単に⾔うことは憚られます。ですが、争いの背景や時代、場所は違ったとしても、過去から今に⾄るまで、戦争による苦しみは後を絶たず、時代を越えて続いていくものであることは分かります。⾃国だけでなく、他国のことも考えることこそが歴史を⾵化させない⼀つの要素になると思います。
ところで、私たちも⽇々学校という集団の中で意⾒が異なる相⼿と関わる機会が多くあります。そのようなとき、⾃分の利益だけを考えた態度をとってしまったり、⾃分と⽴場が違う⼈のことを敵だと決めつけてしまったりすることがあります。また、対話を通して互いに歩み寄ろうとしても、うまくいかず、結果として強硬な態度で現状を突破しようとしてしまうことも起こります。⾃分の⼼に正直に向き合ったとき、戦争とは、⾃分たちとは関係のない昔の⼈や遠い外国の⼈の出来事なのではなく、対話で相⼿を理解することを諦めた⾃分たち⼀⼈ひとりの⼼の中から⽣まれてくるものなのではと思えてなりません。価値観を完全にすり合わせることは難しいことです。個⼈であったとしても難しいのですから、国同⼠となるとさらに難しいと考えられます。だからこそ、武⼒という最も悲惨な⼿を使ってでも⾃らの価値観を押し通そうとした結果、戦争が起こるのです。世界は⼀⼈⼀⼈の⼈間が集まってできています。個⼈という⼩さい規模でも実現できていないことは、世界という⼤きな規模になったときに実現することがどれだけ困難なことか想像もつきません。だからこそ、⽇常⽣活から互いに歩み寄ろうとするその姿勢を私たちが⾝につけ、⽇常⽣活での「平和」を実現していくことこそが、世界規模での「平和」を願うことができる、その⼟台に⽴つことができる一番の近道となることでしょう。
1 ⼈の中学⽣として、今すぐ社会を変えることはできません。でも、⼤⼈になったときに社会を変えられる⼒になりたい。そのために私たちは今、学びます。

令和6 年11 ⽉12 ⽇ 東京学芸⼤学附属国際中等教育学校3 年
ワークキャンプ実行委員会 委員長  赤坂  哲
ワークキャンプ実行委員会 副委員長 小関 彩文

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