持続可能なコーヒー生産のために(1年生 地理)

これは何でしょう?

先生が各グループに配ったのは、焙煎前の生のコーヒー豆です。

皆さんが普段の生活でよく目にするコーヒー豆とは色が全く違いますが、わずかながらさわやかな香りがします。この豆をじっくり焙煎することでおいしいコーヒーができるのですね。

「南アメリカ州」の単元では、「持続可能な発展・開発」をテーマに学習を進めています。今回の授業はその一環として、コーヒー会社のUCCが提供するESD探究プログラムを用いて、ブラジルをはじめとした南アメリカ大陸の国々でさかんなコーヒー産業の持続可能な発展について考えていきます。 

「コーヒーはどの国で生産されているでしょうか?」

先生の問いに、生徒たちは「ブラジル!」「コロンビア!」「エチオピア!」と口々に答えます。クラスの中に日常的にコーヒーを飲む生徒はいませんでしたが、皆さんよく知っています。

授業では、ブラジルのコーヒー生産に注目して、社会科地理の観点から産業の持続可能な発展の実現に向けて、生産国として、消費国として何が大切かを話し合いました。

ブラジルのコーヒー生産は、60年前と現在とでは生産量、輸出量が共に大きく変化してきています。おいしいコーヒーが私たちの口に届くまで、非常に多くの人々の手と様々な過程を経てきていることがわかります。

時代の変化とともに、自然を守ること、労働環境を守ることがより大切になってきていることを学びました。コーヒー文化の持続可能な発展に向けて、消費者である私たちは何ができるでしょうか。

この単元では、この授業の後にアマゾンの熱帯林開発を取り上げ、持続可能な発展のあり方についてさらに深く考えていきます。 

今回の単元を通して、生徒には、持続可能な社会を主体的に形成していくための当事者意識を持ってほしいと考えています。授業で取り扱う事例を単に南アメリカという地球の裏側で起こっている問題とするのではなく、様々な立場から考え、自分事として捉えてほしいと考えています。

また、持続可能な社会をつくるためには、現在だけではなく将来の世代も見据えた行動が必要になります。将来の世代を担うのは、紛れもなく生徒たち自身です。現在の自分たちの行動が、将来の社会にどのような影響を与えるのか、将来の自分たちの暮らしを豊かにしていくためには何が必要かということを考え、行動していってほしいと考えています。