Regeneron ISEFとは世界60以上の国や地域から1000人超の高校生が集まり様々な科学分野において自分の研究を競う世界最大級の大会です。今回の2024大会では、アメリカの大都市ロスアンジェルスで開催されました。日本学生科学賞から今回、ロボット工学・知能機械カテゴリーで参加し、世界課題の解決研究に与えられる特別賞ノン・トリビアル賞を受賞しました。
研究名は “Bias in LLMs; Paving the Way for an Equitable Artificial General Intelligence” (大規模言語モデルにおけるバイアスの検討:公平な人工汎用知能の開発に向けて)というものです。現在私たちが使うChatGPT含めた大規模言語処理モデルはネット上の情報を元に開発している為、バイアス(差別・ステレオタイプなど)が生じてしまいます。今後大規模言語処理モデルはサーチエンジンなどの情報入手媒体にも利用されるため既存のバイアスがあるまま今後開発が進められるとユーザーの社会的認識・価値観を影響してしまうという危険性があります。バイアス構造を心理学・情報学を基に分析し、言語処理モデルにおけるバイアスの「性格」構造の決定、またそれに伴う解決策の提案をこの研究では行い、評価されました。
本大会の感想としては、本当に世界中の様々な課題解決に対する研究が多くあり、全体的にとてもハイレベルでした。各国の代表の自身の経験、地域の問題を先行研究とは違う斬新な新しい方法で解決しようと試みるチャレンジャーが殆どでした。斬新すぎて失敗するのでは無いかと思われる研究計画であっても、試行錯誤の上成功した研究が多くありました。リスクテイカーが多いのが一番の印象です。
参加枠が狭い門となっていますが、斬新で新しく「面白い」研究であれば参加できると信じています。英語ができると大きいアドバンテージとなるのでISS生はチャンスが大きいと思います。参加枠はこの2種類の大会どちらかで優秀な成績を収めた研究に与えられます。応募は無料なので是非応募してみて下さい!(今回の大会ではユニバーサルスタジオハリウッド貸切など、大会参加の特典も多く付いてきます)
13回生 小谷 理人
写真提供:NPO法人日本サイエンスサービス(NSS)
参考LINK1:【速報】ISEF2024にて本校の生徒がSPECIALAWARDを受賞
参考LINK2:国際的な科学技術コンテストで特に優秀な成績をおさめた生徒等に対する文部科学大臣表彰